とにかく毎日、仕事がいやだった。誰かに評価されながら働くということが苦痛で仕方がなかった。
こんな仕事で自分の価値が決まってしまうなんて、耐えられないと思っていた。
仕事の環境が悪く、つらい思いをした時期がある。つぶれないように、耐え抜けるようにと、本当にたくさんの人が支えてくれた。窮状を抜け出すために、多くの援助を受けた。
誰の、何の利益にもならないのに、ただ一人の人間が少しでも楽に過ごせるようにと気遣ってくれる人が、こんなにもいた。
これまでの人生でも、当然のように人に支えられて生きてきた。でも、このときほど他者の善意を強く感じたことはなかった。
ここまで生きてくるには、周囲の助けが欠かせなかった。だからこれからは、この恩を返さなければ、手の届く範囲で貢献していかなければ、と思うようになった。
そうして私は、多くの人に感謝しながら働きはじめた。この恩を返していきたいという気持ちを抱きながら。
するとある日、不思議と、日々の仕事のつらさが和らいでいることに気づいた。
仕事を、自分の価値が測られる場としてではなく、自分ができる限りを尽くして周囲へ恩を返していく場だと捉え直した。そう考えると肩の力が抜け、やるべきことや、やりたいことがシンプルになった。
子育てと両立したほうが仕事の効率が上がった、という話をよく聞く。残業がしづらくなることで、計画を立て、取捨選択をしながら仕事をするようになるからだと言われている。
私はそれに加えて、育児をしながら働ける環境に感謝すること自体も、仕事の効率アップにつながっているのではないかと思っている。そう感じない人もいるだろうし、無自覚のまま当てはまっている人もいるかもしれない。
自己啓発本で目にする貢献や感謝という言葉は、以前はどこか上っ面で、自分とは遠いもののように感じていた。
けれど、人にたくさん助けられていることを否応なく自覚する経験をして、その言葉の意味がよくわかるようになった。
周囲のために貢献するのではなく、自分の生きる意味のために貢献する。誰かに感謝を伝えて満足してもらうためではなく、自分がどれだけ恵まれているかを自覚するために感謝する。
一番つらい時期をこうして乗り越えたことで、これまで抱えていた、うっすらとしたつらさも一緒に消えていった。
これからは自分のために、感謝と貢献を忘れずに生きていきたい。
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