英語のスピーキング向上方法で調べると良く出てくるカランメソッド、どのくらい効果があるのか分からないですよね。100時間受けてみたのでその効果を記録したいと思います。



カランメソッドとは?

カランメソッドはイギリスで生まれた英語学習法です。



授業の進め方、ルールともに非常に特徴的なメソッドです。

進め方

授業の半分程度は前回の復習に充てられます。
オンライン英会話の25分授業の平均的な分配は以下のようになります。

12~3分間 前回の復習
7~8分間 新しい内容の説明・練習
5分間 生徒による教科書の音読+講師の訂正


ルール

カランメソッドの授業では自由会話はほぼなく、講師が教科書に基づいて出す質問に次々答えていきます。

例えば、「free」と「busy」という単語を学習するセクションでは、まず講師が単語の意味と具体的な使い方や例文を英語で一通り説明します。

その後、練習にうつるとすぐにこれらの単語を使用した質問が講師から生徒へ投げかけられます。
この練習における大切なルールがいくつかあります。
  • 講師は質問を2回繰り返し、間髪入れずに答えも続けて言う
  • 生徒は講師に遅れないよう答えを言う(答えが分からなければ講師のシャドーイングも可)
  • 答えは完全な文章で言う(No, I'm not.はだめ。No, I'm not a teacher. I'm a student.が正解)
  • 短縮形を使う(are notはだめ。aren'tを必ず使う)

実際の講師と生徒の発言はこのようになります。
講師:"Are most people busy on Sunday? Are most people busy on Sunday? ... No, most people..."
生徒:"No, most people aren't busy on Sunday. They're free."

most peopleはtheyに言い換えず原文のまま、are notは短縮形を使ってaren'tにするなど気を付けるポイントがたくさんあります。また、このようなYes/Noの質問ではNoで答えることを推奨されており、Noで完全文回答(No, most people aren't ~)したのち、代名詞と対義語を使用して逆の説明をする(They're free.)のが正解です。
対義語を使用する場合はfree-busyのように最初に説明してくれるのであらかじめ知っておかなければいけないということではありません。

難易度

ルールを説明しやすいようにちょっと難しめの例文を使用しましたが、実際のレッスンは生徒のレベルごとに適切な文章から始まります。Is this a pen?みたいなところから始められるので難しく考える必要はありません!

レベルは1から12までの12段階に分かれており、最初の授業でレベルチェックを受けてどのレベルからスタートするか決めてもらうことができます。
レベルチェックではカラン独特のルールに沿って回答できているかでスタートレベルが変わってしまうことが多々あります。「効率よく高いレベルから始めたい!」という人は説明動画をよく見てルールを理解しておくことをおすすめします。



カランメソッドは100時間でどのくらい進む?

さて、私はこのカランメソッドを100時間受講してみました。

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Native Campの25~26分のレッスンを234回で100時間到達できました。通信不良で途中で終わってしまったレッスンもあったので計算はあわないかもしれません。

私はレベル5からスタートして、100時間でレベル10の最初のページまで進めることができました。意外と時間かかりますね…

完全に途中で失速してしまいましたが、最初の時期の頑張りのおかげで5か月程度で100時間受講できています。平均して1か月に20時間受講するペースです。きつい時期もありましたが、ぐんぐん聞き取れる感覚がついてきて楽しかったです。
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カランメソッド100時間で英語力はどのくらい上がる?

5か月100時間のカランメソッド受講のあと、成果をはかるためにTOEICを受けてみました。
前回受検は2015年(820点)で、2020年までの5年間TOEIC対策はおろかカラン以外の英語学習は何もしていません。

そして2020年の結果がこちら。
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なんと、160点UPして980点!
カラン効果がありすぎる!

もともとリスニングがとても弱かったのですが、聞く→聞いた通りに答える、の練習がリスニング力UPにつながったようです。自分でも驚きました。

また、英検準1級も受けてみたところ、すんなり合格しました。ただし英検はWritingと面接があるので、ここは別途きちんと対策してから受けました。

カランメソッドがおすすめの人

どんなレベルの人でも始められるよう教材がレベル分けされているので、基本的には英語を話したい人だったら誰にでもおすすめです!
あえて特定の人に私がおすすめするとしたら、次のような人たちです。


「英文法はそこそこ理解できたけどリスニングが全然聞き取れない!」って人

聞く→話す(シャドーイング)を繰り返すと、自然とリスニング力があがります。

カランでは省略形(aren't, haven't, should'veなど)を使わなければいけないので、よく聞くし自分でもよく使うようになりますが、これを続けていくと省略形が自然と聞き取れるようになります。TEDとか見てると省略形ってめちゃくちゃ使われててすごく聞き取りづらいんですよね。

また、カランでは英語で聞いて日本語に訳す暇もなく英語で話さなければいけないので、英語を前から順番に理解できるようになります。私自身、TOEICを受けにいったときリスニング問題がするすると頭に入ってくるようになっていて驚きました。

「リスニングは大体わかるし相手に言いたいことも理解できるけど、とっさに英語が口から出てこなくて黙っちゃう」って人

カランの授業には復習の時間が用意されており、同じ質問に何度も答えさせられます。また、忘れたころに同じ単語が別の質問で出てきたり、似た構文が繰り返し使用されます。
この練習を繰り返していくうちに定型文がいくつか口に刻み込まれて、とっさに英語が出てくる場面が増えてきます。

カランで身についた定型文が会社の国際会議で使えたこともありました!

「英語はまあまあしゃべれるけど自分の話や意見を言いたくない」って人

英会話でスピーキング練習をしていてぶち当たるのが、「ある程度自己開示しないと英語の練習ができない」ということ。
意見を考えながら言ったり、自分の実際の状況を説明したりする能力も大切ですが、毎回他人に自分の話をしないと英会話練習ができないというのもつらいときがありますよね。

そんなときカランなら、ある程度決まった枠でしか話す必要がなく雑談も禁止なのでとても気が楽です。人見知りで話しづらいって人にもカランはおすすめです。


自分があてはまりそうだなって方はぜひカランメソッドを試してみてください!